自身初となる軽量オールラウンドバイク GIANT TCRを納車
SNSで「平坦番長」を謳っているワイがエアロバイクを捨て、選んだ理由とは
※正確には平坦番長は後輩からのdisrespect。 基本嫌味だからな!
プロペルでは無く TCRにした理由も自転車仲間やSNSのDM等でめっちゃめちゃ聞かれるので、「これ読んでw」で済ませられるようにまとめたいと思う。
そう、一人一人に返すのは面倒だから、、、
納フレ時の記事はコチラ
初めに
普段は「練習日記系」や後から見直す用で「レースレポート」ばかり更新しているが、納車、インプレ、機材紹介は普段の10倍近くアクセスが多い
納車後、トレーニングにロードレースと乗り込んだので感じた事をまとめていく
尚、今回のインプレ記事を書くにあたり、メーカーからのサポートは無く、ホビーレースを楽しむ「アマチュアサイクリスト」の自己満足であるためあくまで参考程度にして頂きたいと思う
この記事で初めましての方もいると思うので、ワイのスペックから。
筆者プロフィール
身長180cm 体重65〜70kg
FTP:320w前後 MAX Power1200w前後
JBCF E1カテゴリ(ポイント足りんくて降格だけどね草)
仕事から帰り、毎日ローラー台で練習に励むいわゆるホビーレーサーと言うヤツ
家族からは変態扱いだ
最近、オカンが「ポガチャル」というワードを覚えた
ジロでマリアローザを着るのを見て覚えたらしく、現在開催中のツールでは今日はポガチャルいっぱいいるね〜(team EF educationを見つつ)と言っていた
オカンそれ「ポガチャル」やない、「カラパス」や
過去のバイク遍歴
ターマック(エントリーモデルsl6型):約8.3kg
SーWORKS VENGE:7.8~8.0kg
RP9:8~8.2kg (半年で落車→廃車)
初めてのロードバイクを除いて、空力性能を売りにしたエアロロードが多い。
注目しているポイントは「剛性」「空力性能」「前作からの軽量化」など1分1秒でも速くなるような謳い文句の最新トレンドバイクばかり
過去4年間、長距離ロードレースでの上位入賞を目標に日々トレーニングに打ち込みつつ、ふと一つの疑問が生まれた。
「本当に自分に必要な性能はコレなんだろうか、、、」
ロードレースであったらいいなと思うバイク性能を並べてみた。
- 長時間体力を温存できる「快適性」
- 苦手な登りをカバーできる「軽量性」
- 落車によるリスクを考慮「一年以内に買い直せるレベルの金額」
- ポジションの自由度「専用パーツがなるべく使われていない事」
「エアロロード」より純粋な「ロードバイク」の方が合っている様な気がした。
各社、新UCI規格に合わせたハイエンドバイクが発表される中、目に止まったバイク
「TCR Generation X」
10回ものモデルチェンジを経て熟成された純度の高いオーソドックスなロードバイク
上記の項目を満たし、自分の強力な相棒になってくれるに違いないと紹介ページを見て感じる
しかし、メーカーイメージとしては通な上級者か街中クロスバイクの両極端なイメージで「ダサさ」みたいなモノがどうしても拭えなかった
しかし、公式HPを見渡すとカスタムペイントを彷彿させる大理石調のカラー OPAL(オパール)、スタイリッシュなメーカー頭文字「 G 」のロゴ
段々と知っていくうちに過去の自分のイメージは完全に払拭され、発表された次の日には注文していた。
ポチぃ!!
車両紹介
パーツ構成 / 実測重量
フレーム:GIANT TCR advanced sl (M size)
ハンドル:contact slr handlebar(390/420mm)
ステム:contact slr aerolight(130mm)
コンポ:クランク+ペダルはデュラエース、その他アルテグラ12s
ギア:F (54−40t) R (11−34t)
ディスクローター:F+R140mm(SRAM PACELINE)
ホイール:カンパニョーロ BORA WTO45mm
タイヤ:コンチネンタル グランプリ5000 25mm(クリンチャー:チューブEXAR TPU)
サドル:s-works romin
ボトルケージ:ELITE LEGGERO CARBON
BB:デュラエース(SM-BB92-41B )
バイク重量:7.27kg(上記+純正サイコンマウント込み)
CADEXから発売されているステム一体型ハンドルと迷ったが、ステム130mm、ハンドル上部390mmの組み合わせが存在しなかったのでGIANT verのカーボンハンドル+ステムをチョイスした
以上の組み合わせで実測7.27kgである。ホイールは持ち合わせ(1500g台)にコンポーネントもアルテグラパーツでこの軽量性である
変に軽量パーツをチョイスせずとも7kgは切るだろう
おそるべしTCR
あとは僕のお財布次第、、、
走行インプレ
『うわっ、何コレ。 めっちゃ気持ちいい。』
初めて漕ぎ出した瞬間に感じたのは、そのスムーズな乗り味
昨今のエアロロードのトレンドを作り出したVENGEに乗り始めた時の怪物級の『速さ』ではなく
ママチャリやクロスバイクから初めてロードバイクに乗り換えた時の『感動』に近い感覚だった
車体は軽くペダルを回すとスッと進み
フレーム全体で振動をいなし快適な乗り心地
しかしペダルには地面を蹴るようなダイレクト感
重心は低く、地を這うよう進む
ハンドルを切れば「スッ」とシャープに曲がる感覚
これは良い。
快適性・振動吸収性
初めに感じたのは、振動吸収性の高さによる快適な乗り心地だ
リアタイヤが地面にビタァーっと張り付くような感覚で、車体が暴れずとてもスタビリティが高いと感じた
大型トラックにより、轍や切れ目がある荒れた路面でも車体が跳ねる事なくトラクションを掛け続ける事ができる
肘をコンパクトに折り畳み、TTの如くパワーを出す前乗りポジションをとるとより明確。
リアホイールが上下に跳ねるのを嫌いタイヤの空気圧を落としたり、サドルから抜重し衝撃をいなす行為など、小さいストレスから開放される
TCRはフレーム全体(特にリアバック)が仕事をしてくれるので、これまでのフレームと比較すると、とても快適であった
登坂力
軽さ故にこれまで乗ってきたどのバイクよりも軽快に登る
特にある程度ギアを掛けてダンシングすると、リア三角からのグンッグンッと進む感覚がとても気持ち良い
クルクル回したり、重いギアで低回転になると、その動きの軽快さは薄れるので思わずダンシングを多用したくなる
しかしそれでも、登坂性は最高クラスだ
高剛性を謳うバイクは綺麗に回すと恐ろしい程速く進むが、乳酸でパンパンになったガチャガチャなペダリングになってくると後ろに引きずられる様な感覚に陥る
TCRは下死点や上死点付近のトルクが薄くなりがちな所でフレームのバネ感がサポートしてくれるので、登りが苦手で「上下ペダリング」になりがちな僕にとって大きな助けとなる
正確無比なペダリング運動が出来れば硬いフレームが良いのだろうが、人間という不確定要素がそれを、正解とさせない
この辺りの味付けは、好みが分かれるポイントだろう
下り
リア三角の柔軟な動きとは反対に、フロント部分の剛性はとても高いと感じた
OVER DRIVE AERO(太目のD型フォークコラム)の影響が大きいのだろうか、華奢な外見とは裏腹に下りでの不安定な挙動は一切出ない
狙ったラインにしっかりとハマリ、地面に吸い付く様に安定する
何度かコーナリング途中にマンホールや小石を避けるため、レーンチェンジを行う瞬間があったが、ストレス無く軽快で安定していた
空力性能
比較対象がVENGEやRP9である。 近年のロードレース界のトレンドを作り出した伝説的バイク達と比較するのは酷であるが、明らかに空気の壁を感じる
45km/hを超えてくると、これまでと比べよりパワーを出さないと速度が維持ができず、足を止めると失速感を強く感じ、向かい風や下りの速度が上がる状況では更にその「差」が感じられた
20km/hを超えるような緩斜面でも、その差は感じられる
しかし、タイムトライアル的な走り方(ストラバのセグメントアタック等)では不満を感じる場面が多かった一方、高強度でのチーム練や実際のロードレース下では「単独」で走り続ける場面が少なく、周りと比較し、そこまで劣っている印象は受けなかった
※下の画像を見ると分かる通り、非常に薄い
空力性能と振動吸収性や軽量化はトレードオフの関係であるため、「フレームの剛性感」と同じく好みが分かれるポイントだと思う
個人的にはココまでの差に抑え、まとめてきた10世代目TCRは非常に優秀だと思う
スプリント
非常に車体が安定しており重心が低く、どの状況でも安心してモガく事ができた
※これまでスプリント中の最大パワーは1273wであったが、TCRに乗り換えて1349wと大幅に更新した
ISPシートポストの恩恵かスプリント中に股下に重量物の存在を感じず、スパスパと右左へバイクを振ることができる
細身のシートステーに対しダウンチューブ、BB周り、チェーンステーにかけてはボリューム感が増しマッシブな造形になっている
クランクやハンドルからの多方向からの入力にも剛性不足を感じさせず推進力へと変換されていく様に感じる
シッティングではマイルドに感じていた乗り味も、スプリントをすると急にキャラクターが切り替わり、足裏からリアタイヤにかけてダイレクトにパワーが伝わり剛性の高さを感じる
「登り」でのスプリントや低速域からの「加速」が重要になる場面では掛かりの良いTCRは強い味方になるだろう
小柄で倍率が高く、爆発力があるスプリンターにはオススメだ
一方、高速域でのスプリントは速度の伸びが感じづらく、重量級のパワーのあるスプリンターにはオススメしづらい
イケていない点
サドルの固定力
初のISPシートポストなので、仕様なのか不明であるがヤグラの締め付けボルトを軸に若干弧を描くように動く
乗車時にサドルがズレたり、パワーが逃げたりとネガティブな印象は感じないが、自転車を持ち上げた時やコンビニ休憩時、ラックにサドルを掛けた時カタッと少し動くのが気になる
そして、覚悟はしていたがヤグラを取り外すとシートポストの塗装が傷ついていた、、、
ここから見える所に侵食しない事を祈る。
※ガタツキに関しては、今後なんらかのスペーサーを挟み対応予定
ステム締め付け用ボルトの頭
エアロ性能を謳っているステム
どの方向から見ても、丸く凹凸がない形状をしており美しい為、余計にステムの締め付けボルトの頭が飛び出しているのがとても気になる
VENGEに使用しているターマックステム(軽量化のため)はステム後方にカバーが付いており、ボルトの飛び出しは一切無い
筆者はダンシング時に若干膝がバイクに対し、内側に入る
その際に、この飛び出た頭が膝をカスるのである ペダリングが汚いからであろうか?
エアロステムで折角綺麗な造形をしている為、ここは頭の低いボルトを使用する、もしくはカバーを用意して欲しかった・・・
ここも頭の低いボルトを探し対応したいと思う
ボトルケージ取り付け位置
ボトルケージに穴あけ加工を施し、低重心化+マスの中心化を図るカスタムをどのバイクにも行っているのだが、TCRに関してはこれまでのどのフレームよりも取り付け位置が高くなってしまった
過去のバイク達と比較するとダウンチューブ側の取り付け位置に不満はないが、シートチューブ側のボトルの位置が高いのが見てとれる
ボトルケージの穴あけ加工の限界のためこれ以上下げる事が出来ないので、もっと下げられたらいいのになーと思った
とくに夏場に950mlなど大容量のボトルを使用する際にトップチューブに何度か当たり、不便に感じた
※ショップからは「950mlがシートチューブ側に刺せる方が稀だよw」と言われた笑
気にならない人は全く気にならないだろうが、個人的にはマストなカスタムであるため今後、更に下に搭載できるボトルケージか最近話題のエアロボトルを検討したいと思う
まとめ
これまで、自転車競技を初めてから地元開催であるツールド沖縄200kmでの上位入賞を第一目標に機材選びを行なっている
他にも試乗したバイクは沢山あったが、一切の妥協をせずTCRをチョイスした
(sl8、エアロード、スーパーシックスエボ、プロペル、オストロvam、02vam、アルプデュエズなど他にも数えきれず、、、)
乗り心地はいいがハンドリングがモッサリする
平坦では恐ろしくスピードが乗るが、登りでの動きの鈍さ
硬く掛かりがいいが、乗り心地が悪い
僕が感じていたワガママを全て叶えてくれたのがTCRだった、登坂やスプリントの苦手イメージを払拭することができ、快適な乗り心地を手にすることができ、レース機材としてとても高水準にまとまっていると思う
まだ、インプレ記事が少なく海外のレビュー記事では「とても硬い」などの評価が懸念点であったが、アレは完成車パッケージ、特にカデックスのカーボンスポークを使ったホイールの影響が大きいのでは?と思った
エアロロードバイクはフレームのハンドリングに癖があるものが多く、ホイールを変えてもキャラ変しにくいが(エアロフレーム+ローハイトホイールなど)、軽量オールラウンドバイクのTCRはホイールのチョイス次第でより自分好みに近づける事ができるので本当にどこでも使えそうだなと感じた
※今回は全てのバイクのポジション、ホイールは合わせて公平性を保つ様に留意した。
これから、このフレームと共に各地で開催されるホビーレースに向けてトレーニングに励みたいと思います
実力、功績共に付けばきっと同じ記事でも信憑性が増すんだろうなぁ〜、と思いつつもっとがんばりやす💦
これを機に沖縄でTCRの注文が増えたら、ジャイアントジャパンさんは僕にCADEX Max40下さいw
忖度レビュー書きますので🫡
それでは皆さん、楽しい自転車ライフを
アデュー!!🙌
・様々な地形(コース)に対応可能なフレーム
・快適で路面追従性の高いリア三角
・ダンシングを多用する人
・クセのないハンドリング
・平均点の高いバイクが欲しい人
・剛性感が強く、硬い乗り味が好きな人
・空力性能を最重要視している人
・キビキビ動くフレームが苦手な人
・尖ったストロングポイントが欲しい人
コメント